十二月度 広布唱題会の砌

 本日は、本年十二月度の広布唱題会に当たりまして、皆様方には年末に入り何かと御繁忙のところ、信心強盛に唱題会に出席され、まことに御苦労さまでございます。
 さて、本日は『立正安国論』について、少々申し上げたいと思います。
 皆様には既に御承知の通り『立正安国論』は、今を去る七百六十五年前、文応元(一二六〇)年七月十六日、宗祖日蓮大聖人御年三十九歳の時、鎌倉幕府の臣で、執権であった北条時頼と時宗の側近として仕えた宿屋左衛門を介して、時の最高権力者である時頼に提出された国主への諌暁書であります。
 すなわち、大聖人は当時、悪世末法の姿そのままに、天変地夭・飢饉・疫癘が遍く天下に満ち、厳然とした世相を深く憂い、これら国土混乱の根本原因は、邪義邪宗の謗法の害毒によると断じられ、もし、邪義邪宗の謗法への帰依をやめなければ、自界叛逆難・他国侵逼難の二難をはじめ、様々な難が必ず競い起こると予言されました。そして、こうした災難を防ぐためには、
「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ」(御書 二五〇㌻)
と仰せられ、仏国士を建設するためには一刻も早く謗法の念慮を断ち、「実乗の一善」に帰することであると仰せられているのであります。
 この「実乗の一善」とは、大聖人様の元意は、法華経本門寿量品文底独一本門の妙法蓮華経のことであり、三大秘法の随一、大御本尊のことであります。すなわち、この三大秘法の大御本尊に帰依することが、国を安んずる最善の方途であると仰せられているのであります。
 よって、総本山第二十六世日寛上人は「立正」の両字について、
「立正の両字は三箇の秘法を含むなり」(御書文段六㌻)
と仰せであります。
 「立正」すなわち「正を立てる」とは、末法万年の闇を照らし、弘通するところの本門の本尊と戒壇と題目の三大秘法を立つることであり、正法治国・国土安穏のためには、この本門の本尊と戒壇と題目の三大秘法の正法を立つることこそ、肝要であると仰せられているのであります。
 また「安国」の両字については、
「文は唯日本及び現在に在り、意は閻浮及び未来に通ずべし」(同 五㌻)
と仰せられています。
 すなわち「国」とは、一往は日本国を指しますが、再往は全世界、一閻浮提を指しているのであります。
 この『立正安国論』は、その対告衆は時の最高権力者であった北条時頼であり、予言の大要は自界叛逆難・他国侵逼難の二難でありますが、実には一切衆生に与えられた諌言書であります。また、一往付文の辺は専ら法然の謗法を破折しておりますが、再往元意の辺は広く諸宗の謗法を破折しておられるのであります。
 されば今、まさに国内外ともに混沌とした末法濁悪の世相を見る時、私ども一同、改めてこの『立正安国論』の御聖意を拝し、僧俗一致・異体同心して一天四海・皆帰妙法を目指して、時を惜しまず、勇猛果敢に破邪顕正の折伏をしていくことが最も急務であり、肝要であることを銘記され、いよいよ強盛に折伏に精進されますよう心からお願いし、一言もって本日の挨拶といたします。

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