4-10 八卦、星占いなど多くの占いがあるが、どのように考えたらよいのか

人はだれしも未来を知りたいと願い、幸福を得たいとのぞみますが、そのもっとも手近てぢかにある方法がうらないであるといえます。

しかしながら占いで将来を正しく見極みきわめ、幸福な家庭を築き上げた人が世の中にどれほどいたでしょうか。

努力なしに望みをかなえようとしたり、実力以上のものを無理に求めようとするところに、悲劇ひげき破綻はたんが起こるのであって、占いを信じ安易あんいに自分の人生をけてしまうことほど危険きけんなことはありません。

初めは遊び程度ていどのつもりが次第しだいちゅうになり、ついには占いなしでは身動みうごきがとれなくなってしまったという例もあるように、占いを信じたことによってかえって苦悩くのうす結果が多く、むしろ占いには近づかない方が賢明けんめいであるとさえいえます。

占いは古くは易学えきがくによる八卦見はっけみが有名ですが、今日ではその他多くの種類があります。たとえば、現在人気のある星占いは、ロマンチックなイメージからか、とくに若い女性の間ではもてはやされているようですが、その主流であるホロスコープ占星術せんせいじゅつの原点ともいうべき「テトラビブロス」の著者ちょしゃは、「占星術は天文学の応用おうようで、天文学ほど確実性のあるものではけっしてない」とのべています。このように星占いは、学問的に確実性のない占星術を基礎きそとしているのですから、きわめて不完全なものなのです。星占いが広まること自体じたい現代社会の刹那せつなてき風潮ふうちょう反映はんえいしているように思われます。

星占いをはじめとする占いはすべて運命学うんめいがく根底こんていとなって組み立てられているのですが、基本となる運命学そのものは、学問というにはほど遠く、人間の運命を本人の努力と関係なく、生まれつきさだまったものとみる非合理的な運命論からはっしているのですから、自然科学が発達すればするほど、その欠陥けっかん明白めいはくになってくるでしょう。

明るい未来や幸福な生活は、正しい信仰を根本に自分自身で築くものであり、それは御本尊を信ずる功徳によってはじめて実現じつげんできるのです。

出典:「正しい信仰と宗教」から転載